2024/09/10 17:35
皆さまご機嫌よう。
Antiques Amour Violetでございます。
アンティークポストカードのご紹介をHPにて始めました。
どれも愛らしい選りすぐりの1枚です。
今回はカメラマン・H.Manuel撮影の少女モデル作品を中心にお届けいたします。
椅子を使用した愛らしいポートレートシリーズは少女たちに大人びた背伸びをさせることなく、
その年代の少女らしい魅力をそのまま撮影した素晴らしい写真です。
アンリ・マニュエル(Henri Manuel、1874年4月24日 - 1947年9月11日)は、1914年から1944年までフランス政府の公式写真家を務めたフランスの男性写真家です。
当時、数多のカメラマンが西欧で巻き起こったポストカードブームの需要に応え、少女モデルたちを撮影しポストカードが量産されました。
サインの無い作品がほとんどですが、その中でも撮影者のサインが残されている数少ないカメラマンがこのH.Manuelです。
Manuelの作風はとりわけ少女たち一人一人への深い愛情を感じさせる素晴らしい作品です。
1900年、マニュエルは兄のガストンとともにパリにポートレートを専門とするポートレートスタジオを開設します。
恐らくこれらの少女写真はこのパリのスタジオで撮影されたものでしょう。
スタジオはパリ最大の写真スタジオとなり、写真家志望の若者が訪れる中心地となったそうです。
1941年までに、スタジオはシャネル、ランバンなどのファッション写真、通信社の写真、個人の肖像画、その他の画像に広がる100万枚以上の撮影がされました。
スタジオは第二次世界大戦中に閉鎖され、写真乾板のほとんどが破壊されました。
今回ご紹介している1900年代初頭頃の少女写真のネガである写真乾板も戦時中に全て破壊され現存していない事になります。
改めて戦争がもたらす文化的損失の大きさを実感するばかりです。
H.Manuelが後世に至るまで少女というひととき、一瞬のきらめく時間を美しいままにカメラで捕らえ、蝶の標本にするかの如く残した仕事は歴史的評価に値するものと思います。
「永遠の少女」という言葉は正に、H.Manuel撮影の少女たちに冠されるものではないでしょうか。
Manuel撮影の写真は少女の愛らしい表情は勿論ですが、1900年代初頭当時の子ども服・ヘアスタイル・子ども用アクセサリー・おもちゃ・お人形を見る事が出来るのも魅力のひとつ。
120年以上経過した現在ではアンティークとして市場に出回るドレスやおもちゃ・ドールの現役時代の姿を見ることが出来ます。
どのように子どもたちに遊ばれ、愛されていたのか写真として見ることが出来るのはより一層想像が広がりますね。
円安の影響下でどうしても諸経費が高額になり、お求めやすいプライスでお届け出来ないことを申し訳なく感じますが、その分とりわけ可愛らしく、写真としても資料的価値の高い作品をセレクト致しました。
奇しくも彼の命日の前日に紹介となった運びに驚きを感じざるを得ません。
是非、ご覧くださいませ。